YUKALさんの質問の内容を、少し視野を広げて返答します。
ポイントだけを簡単にまとめておきますと以下の通りです。
・なぜ、電飾がついている回る回転体は360度回すことができるのか
・なぜ、360度で何回転もしているのに電気を流し続けることができるのか
・360度以上回したら、電気の配線がねじれないのだろうか、ちぎれないのだろうか?
①電飾やモータがついていながら360度回する回る看板などはどうなっているのか?
②簡単に実装するなら電源を電池にして、電池ごと回転体に乗せて回す。
③コンセントなどの外部電源から供給した電気で何回転も回したい場合は、「スリップリング」と呼ばれる電子部品を使う。
以下、本題です。
日常生活ではレストランなどの回る看板をみて気になることがあります。
360度何回転もしているのにどうやって電飾も回るのか・・・。
本来なら、電線のコードが繋がっているはずであり、回転するたびにコードがねじれていき、ショートや断線を起こしたり、電線(配線)が引っ張られて回転できなくなる現象が発生します。
メダルゲームでも電飾がありながら回転する機構はあります。
フォーチュンオーブシリーズのセンター抽選のオブジェが1回転するまでに逆転して折り返し動作を行います。
ファンタジックフィーバーのセンター払い出し機構も同じく、1回転せず、途中で逆回転を行います。
逆回転するからといって360度永遠に回らない機構だと断定できません。後述する「スリップリング」という部品を使用すれば正回転逆回転両方対応します。
しかし、レストランなどの回る看板や、ファンタジックフィーバーのセンター抽選のポケットや、グランドクロス、フォーチュントリニティ、アニマロッタ、カラコロッタといった電飾がありながらも360度何回でも回転していられるのが不思議になりますよね。
この違いから、1回転程度で折り返し逆回転してしまうものは、電飾やモータのついた回転体と電源が、配線によって繋がれています。
では、360度何度も回転している電飾やモーターなどはどういう構造になっているのか?
また。自作で行うにはどうすればよいか?
①電源部には電池を用意して、電池ごと直接回す。
これが最も簡単な方法です。
②「スリップリング」を使う
どうしてもコンセントなどの外部電源からACアダプターなどで必要な電圧を取り出して行いたい場合です。
「スリップリング」というものは、相手が回転体に対して何回転させても電気を同通させ続けることができる電子部品です。
構造や仕組みについての例は、詳しく紹介されているこちらのサイトを確認してみてください。
http://www.kyoeidenki.jp/slipring/
引用元:協栄電気株式会社
市販で買える電子部品としてはなかなか手軽に販売されているものはなく、現在は1種類だけ電子部品の販売店で販売されています。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-05644/
スリップリングの仕様によっては接点ブラシの摩耗などモーターと同じく消耗部品になります。
グランドクロスなどの場合は、50インチのモニターや画面演出用のPC、その他多種の電飾やモーターなど、いかにもAC100V(AC200V)の一般家庭用電源を使っていると思われます。ゲーム機にはおそらくAC100V(200V)の電源でも普通に回転させながら電気を同通させることができる仕様のスリップリングが使われているものと思われます。そして、PCやモニターごとセンターのオブジェを回しています。
ちなみにこのスリップリングという部品は、自作しようと思えば作ることも可能です。要点は回転部と回転していない静止部とで、常に電気を通す導電性の物質が接している機構を作ることができればいいわけです。
作る上での問題点は回転させるとなると必ず摩擦が生じます。
その際、接触が不十分だったり、摩擦の度合いによっては火花を散らしたり、熱が生じてショートや発煙・発火等の恐れがあるので注意が必要です。
実際に販売されているスリップリングも同じことが言えます。構造や仕様はいろいろとありますが、定格など使い方のルールを守って使うようにしましょう。
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