ボールを使うメダルゲームといえば、ビンゴゲームをはじめ、プッシャーゲームでも2000年代からゲームの要素として本格的に用いられるようになりました。
それまでは、店舗側で用意されたイベントなどで設置するだけにすぎないものでした。
現在、メダルゲームで用いられているボールといえばどれも魅力的なデザインのボールが使われており、ゲームの演出を魅了させるものですね。
そこで、自作メダルゲームでのボールを使用したいという方に紹介したいと思います。
後半の記事にメダルゲームで実際に使われているボールや専門部品の入手法などについて説明します。
①用途を決める。
・ボール抽選ゲームを作りたい
・プッシャーゲームにボールを扱えるものにしたい
といった選択肢が挙げられます。
②ボールの大きさ
ボールの大きさには、「直径」をもとにサイズが決められていることがほとんどです。
単位には「φ」(ファイ)が使われており、「30φ」や「φ30」と記述されていれば、直径30mmということを指しています。
プッシャーゲームでは、メダルの直径より大きいボールを使うことをお勧めします。
ボールとメダルを振り分けるときに、この直径の差を利用して振り分ける構造が一般的です。
③ボールの材質
お祭りなどの露店(ろてん)でよく見かける「スーパーボール」などは、ゴムのような材質が特徴で、よく跳ね跳びます。しかし、ゴム状材質ということで摩擦やこすれることがほとんど起きないために、プッシャーやボール同士の接触ではものすごい抑止力(よくしりょく)を発揮するので不向きです。でも、これを応用したゲームを考えてみるというのも一つのアイデアでしょう。
大体用いるボールとして適切なものにはボールなどが互いに触れ合っても動力に影響のほとんどない「プラスチック」「ガラス」「アクリル」系等のものが良いでしょう。
自作として一番身近でお手軽な素材は「ピンポン玉」(卓球用ボール)や「ビー玉」がオススメです。
④やっぱり実際にメダルゲームで扱われているボールを使いたい
既存のゲームを再現したい、ゲームセンターで実際に使われているボールだからこそリアル感があるという方にとって、現状と入手手段について説明します。
現状、ゲームセンターのボールは比較的魅力的なためかコレクターや愛好家の間で少々人気の取引ですので、自作メダルゲームの需要もあってか多少高い値段で取引されることもあります。
ここで、ボールや、入手の困難な専門部品について説明します。
★一般向けには販売されていません
現段階(2013年11月時点)では、基本的にゲームメーカーからの販売はされていません。
ゲームメーカーからは、メンテナンスやオプション・保守・消耗品部品を除いてメダルゲームの筐体と使用する部品やボールなど一式をワンセットで商品として取り扱います。
これらの商取引はBtoB(メーカー企業と企業間のみの取引)で取り扱っていることが普通です。
したがって、個人・一般向けに販売されていることはまずありえないと考えてください。
私も当初はまったく取引を行ったことのないときにコインホッパーの製造業者に複数問い合わせ、購入の検討を訪ねた経験があり、基本的には身分上「個人」にあたるので断られました。
ここで使う「一般や個人」とは、私達のご家庭の住人などを指しており、「企業」というのは、ゲームメーカーと、アミューズメント施設などの運営の許可を正式に持っていて、実際に営業を行っているか、営業可能な会社・団体・企業のことを指します。
これらは、「専用部品」に位置付けられており、メダルやコインホッパーなどもこの部類にあたります。
★では、どうやって入手するのか?
実は入手方法はいくつかあります。
①オークションで入手する
オークションで専門部品や商品が販売されているか定期的なチェックが必要です。
機会を逃したり、落札相手が複数人いると金額勝負になります。
オークションということもあり、アミューズメント部品を新品を購入するよりはかなりの低価格で販売されています。
その反面販売されているものの多くは、使用経歴のある「中古品」がほとんどです。
商品の状態などをよく検討したうえで、購入(落札)を行います。
②専門販売店から入手する
アミューズメント産業を調べると分かってくる内容です。
筐体を用いるゲームは、全てメーカーが作っているわけではなく、製造業者との取引もあって開発されています。
ゲームメーカーが行っている筐体の作業は、部品や筐体の設計やデザインが主であり、ゲームメーカーが部品を作ることはなく、設計に応じた部品を外部企業に問い合わせて発注している(別企業と取引して設計に合わせた特注(特別発注)で作ってもらっている)ことが多いです。
ボール・コインホッパー・電飾・その他アミューズメント専門部品といったものの部品自体は電機メーカーや大手中小企業の製造業者(専門部品メーカー・板金業者・電飾製造メーカー・木工加工業者)に任せていることがほとんどです。
その部品製造業が、一般向けにもオーダーを可能にしていたり、販売応対をされている場合があります。
一般で販売されているなかで最も身近に購入ができる機会が年に1回ありまして、毎年2月中旬(大体は第3土曜日)に千葉の幕張メッセで開催される「JAEPO」(ジャパンアミューズメントエキスポ)です。
アミューズメント・アーケードゲームの祭典であり、昔は「AOU」という名前で毎年開催されていました。本来は秋にもアミューズメントマシンショー(AMショー)というものがありましたが、今年から出展規模が縮小されたためにJAEPOに統合されました。
ここで、アミューズメント部品の販売企業ブースが「セイミツ工業」「サンワ電子」をはじめ2~4ブース設けられています。ゲームセンターで販売されている部品を直接たくさん目にすることができます。さらに直接一般向けにも多くの商品が特別価格で販売されています。この機会に直接思い切って購入するのもいいでしょう。
製造ミスによるワケあり商品もあるので、その点は要注意です。
③特別な販売経由をたどって一般向けに販売されている小売業へ問い合わせをする
アーケードゲームなどの専門部品を取り寄せたはいいものの、使わなくなった又はいらなくなった新品や未使用の機会を取り扱う業者があります。
一般向けに販売されていることもあり、オークションよりは高値になりますが、新品価格よりは低価格で販売されています。
④有志や保持者とのアポイントメント(連絡)をとり、トレードや購入機会時に入手
最近はボールやコインホッパーをはじめ、使われなくなったゲーム機や、ゲーム機撤去時に倉庫へのお蔵入りや産業廃棄物になる運命の部品がオークションや動画サイト、各自個人でインターネット上で宣伝されていることがあります。
そこで問い合わせを行い、入手するといった方法です。
以上よりまとめますと、ボールやメダル、コインホッパーなど、専門部品を入手する方法は最低でも「問い合わせ」や「相手との取引」を行わければならないことが普通で、コミュニケーション能力やネチケット(ネットでの取引に関する文章構成や態度:ネットでのエチケットのこと)を問われます。
ゲーム企業も当たり前のように行っていることです。
初めての方も新しい経験として挑戦しておくと貴重な経験となって将来に活かすことができるでしょう。熱意も必要です。
★★★注意すべき点★★★
また、注意しておきたいこともあり、これらの取引のほとんどは必ずしも正規ルートで入手したものではないため、相手側(取引先)にはどのようにして入手したのかという経緯をしっかりと説明してもらうことや、販売・交換できる正式な理由を知る必要があります。
この点は非常にグレーゾーンな部分もあり、場合によっては罪や連帯責任をとられる場合があります。
例えば以下のような事例です。
・ボール取引に需要がありお金儲けになると考え、仲の良い店員と取引して、店員が許可なく持ち出して譲ってくれた場合の入手。
・プレイヤーが店のメンテナンスやエラー修復時の隙に持ち出した。(⇒窃盗罪)
・店の営業で用いる使用メダルを持ち帰る(⇒窃盗罪)
・使われなくなったゲーム機の廃品を、運営責任者の許可なく譲ってくれた場合の入手
などです。
特に、店員との許可だけで承諾を得たという内容だけでは問題が生じる場合があります。
運営の最高責任者との許可を得ることが大切です。
上記のような事例の場合、場合によっては不正入手や裏ルートのようなものであり、極端に言えば覚せい剤や麻薬を密輸するのと同じような行為を行っていることになります。
くれぐれも取引には信用やトラブルの発端にならないよう、注意を持って臨む(のぞむ)ようにしてください。
当交流広場では上記のような理由があり、現在は入手手段の情報提供のみの投稿は行っておりますが、物々交換や金銭に関する売買に関する取引の投稿を禁止しています。
あらかじめご了承ください。
このトピックのURLは:「
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